2022/11/17

ヘルスケアの現場から考えるデジタルヘルス(第9回)

糖尿病と生活習慣管理の課題に切り込む、シンクヘルス【後編】

ウェアラブル, デジタルセラピューティクス, 臨床医, 日本, 疾病管理・患者モニタリング, ウェルネス・運動療法, 医療機器, 医療コミュニケーション支援

CGMとの連携で糖尿病診療は新しい時代へ

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CGMトータル管理ができる「シンクヘルス」 (出所:H2株式会社)

糖尿病の治療には食事や運動など生活習慣の改善が必要不可欠です。近年、スマートフォンを用いたアプリによるPersonal Health Record(以下PHR)と日々の糖尿病診療と生活習慣の連動により、生活習慣の改善に介入する試みが増加しています。前回では糖尿病を中心とした慢性疾患、生活習慣病予備群(未病層)に対する健康課題を解決することを目的とした、健康サポートアプリ「シンクヘルス」と、医療機関で管理可能なクラウドサービス「シンクヘルスプラットフォーム」について紹介しました。後編では、持続血糖測定器(continuous glucose monitoring: CGM)との連携があることで、糖尿病の血糖管理が劇的に変わる可能性があることについて説明します。


「シンクヘルス」(出所:H2株式会社)

糖尿病の血糖管理はHbA1c→SMBG→CGMの時代へ
これまでの糖尿病治療では、血糖コントロールを反映する指標として「HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー)」が広く用いられてきました。HbA1c は過去2〜3ヶ月の平均血糖値を反映しますが、血糖変動の状態を正確に把握することはできませんでした。また、血糖測定器による、血糖自己測定(self-monitoring of blood glucose: SMBG)も、1日1〜4回とスポットの血糖値ですので血糖変動の把握までは困難でした。近年、持続血糖測定器(continuous glucose monitoring: CGM)の普及が進み、患者自身がリアルタイムで血糖変動を可視化できるようになり、2019年「CGM による血糖コントロール指針」が国際的コンセンサスとして発表されました。1)

総合的に血糖変動の理解を可能に
CGMの普及により、血糖トレンドの把握や定期的な血糖モニタリングの重要性が注目される中、最近では新たな血糖コントロール指標として、「TIR(Time in Range)」、「AGP(Ambulatory Glucose Profile)」が出てきました。TIRは血糖値の目標域(target range; 70~180mg/dL)を満たす割合のことであり、米国糖尿病学会(ADA)や欧州糖尿病学会(EASD)が推奨している治療目標値として「TIRは70%以上」が望ましいとされています。1) また、AGPは血糖変動を5本の解析曲線でグラフに表示したものです。
2021年9月には、アボットジャパン合同会社製品のCGMと「シンクヘルス」との連携が可能となりました。TIRやAGPなどの血糖変動や血糖トレンドとともに食事・運動・服薬を1つの「シンクヘルス」アプリですべて閲覧できるため、よりリアルタイムでの血糖の動きを普段の生活情報と関連づけることが可能となります。

(出所:H2株式会社)

保険適用拡大も追い風に
このような新たな測定手法とガイドラインに対応した、間歇スキャン式持続血糖測定器は、腕に貼り付けたパッチに機械をかざすだけで簡単に血糖値を測定ができます。

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