2023/07/25

米国eHealthジャーナル第92号

FDA、GE HealthCareのPrecision DLを承認

診断・検査・予測, 行政・規制ニュース, GE HealthCare, ジャーナル第92号, AI技術, 画像技術

PET/CTスキャンの画像クオリティを向上させる新規の機械学習ソリューション

GE HealthCareは5月30日、PET/CTスキャンの画像クオリティを向上させる新規の機械学習ソリューション「Precision DL」が、510(k)申請経路でFDAから承認されたと発表した。GE HealthCareは2023年1月にGeneral Electric (GE)からスピンオフして誕生した新会社で、イメージング(画像診断)、超音波診断装置、患者ケアソリューション、医薬品診断の4事業を擁している。独立企業としてナスダックに上場し、プレシジョンケア(精密ケア)におけるグローバルリーダーとしての地位前進を掲げている。

GE HealthCareのディープラーニング基盤ソフトウェアポートフォリオ「Effortless Recon DL」への最新の追加となるPrecision DLは、GE HealthCareが販売するオールデジタルPET/CTプラットフォームである「Omni Legend」の画質を向上させることで、スキャン時間の短縮と、微小な病変の検出性能向上を可能にするという。

出典:GE HealthCare

医療用画像は、病気の診断、治療方針の決定、治療が成功したかどうかの判断に欠かせないツールである。小さな病変を早期に発見できるかどうかは、予後や疾病管理に大きな影響を与える可能性があるため、画像のクオリティを向上させる人工知能(AI)ソリューションの採用が増えている。

同社によると、Precision DLとOmni Legendの組み合わせは、PET/CTスキャンの性能と成果に新たな時代をもたらすものであり、旧来のToF(Time of Flight)センサー技術から次世代のPET/CTレベルの性能に移行することで、医療従事者は、高解像度データに基づく診断と治療計画が可能になる。AIと機械学習のサブセットであるディープラーニングは、複雑なモデルや膨大な数のパラメータを簡単に扱うことが可能で、医療従事者が確信を持って患者を診断し治療するのに必要となる洞察を提供する。

AIとディープラーニングへの完全移行がもたらす主な利点の1つは、これまで以上に多くの診療領域において、最先端のイメージングにアクセスできるようになることだ、とGE HealthCareのイメージング担当社長兼CEO、Jan Makela氏は声明で述べた。

GE HealthCareは医療従事者支援技術分野の強化に努めており、2023年第1四半期にはIMACTISCaption Healthの2社と買収合意したことを明らかにしている。1月に買収合意に至ったIMACTIS は、CT検査に基づく治療介入ガイダンスを医療従事者に提供する技術を開発するフランス拠点の企業。2月に買収合意したCaption Healthは、超音波検査の実施者にガイダンスを提供する、医療従事者支援用のAIソフトウェアを開発する技術企業。

(了)


本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2023 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部

連載記事

執筆者について

関連記事