2023/04/11

米国eHealthジャーナル第85号

GE HealthCareがAIソフトウェア企業のCaption Healthを買収

ジャーナル第85号, 画像技術, 診断・検査・予測, GE HealthCare, VC投資・M&A・決算, AI技術

独立企業となって2件目の買収、医療従事者支援技術分野をさらに強化

GE HealthCareは2月9日、超音波検査の実施者にガイダンスを提供する、医療従事者支援用の人工知能(AI)ソフトウェアを開発する株式非公開企業のCaption Healthを買収することでCaption Healthと合意したと発表した。 GE HealthCareは手元資金でCaption Healthを買収し、高リスク患者の心臓超音波検査(心エコー)実施を支援するサービスである「Caption Care」の運営を継続する。

GE HealthCareは2023年1月にGeneral Electric (GE)からスピンオフして誕生した新会社。ヘルスケア分野に注力し、イメージング(画像診断)、超音波、患者ケアソリューション、医薬品診断の4事業を擁している。独立企業としてナスダックに上場し、プレシジョンケア(精密ケア)におけるグローバルリーダーとしての地位前進を掲げている。同社の「プレシジョンケア」戦略の中核をなすのが、イメージング、検査、病理、ゲノムに由来するデータを統合・活用して医療従事者を支援する「Edison Digital Health Platform」だ。これは、様々なデバイスや他のデータソースを統合し、臨床ワークフロー、分析、人工知能(AI)ツールを導入することで、病院やヘルスシステムが、ケアの向上と収益増加を図ることを支援するものだ。

GE HealthCareは独立後まもなく、CT検査に基づく治療介入ガイダンスを医療従事者に提供する技術を開発するフランス拠点のIMACTISを買収することでIMACTISと合意したことを明らかにしており、Caption Healthとの今回の取引はGE HealthCareが独立企業となってから2件目の買収発表となる。

GE HealthCareは、Caption Healthの買収について、心不全などの病気の初期兆候を捉えることができる超音波検査への患者アクセスを拡大するものだと述べている。Caption Health のAIソフトウェアを利用することで、超音波検査がより容易かつ迅速になり、より多くの医療従事者が、さまざまなケア現場において基本的な心エコーを実施できるようになるという。


出典:Caption Health

「AIを活用した超音波検査のガイダンスは、幅広い医療従事者に超音波技術へのアクセスを可能にするという点で重要性を増している。Caption HealthのAIアプリケーションは、信頼性の高い一貫した超音波検査を可能にすることで、より正確な診断、治療意思決定の改善、そして患者アウトカムの改善をもたらしてくれる」と、GE HealthCareの超音波事業社長兼CEOのRoland Rott氏は声明で述べた。

(了)


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