2023/04/11

米国eHealthジャーナル第85号

Johns Hopkins UniversityがViz.aiと提携

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リアルタイムスキャンによる被験者登録を迅速かつ大規模に行う

人工知能(AI)を利用した疾患検出とケア管理に特化するカリフォルニア州サンフランシスコ拠点のViz.aiは2月14日、被験者登録プロセスの加速を目的としてJohns Hopkins UniversityのBIOS Clinical Trials Coordinating Center(以下、BIOS)と提携に至ったと発表した。具体的には、脳内出血を適応症としたBEACHと呼ばれる臨床試験において、被験者登録プロセスを加速させるとともに、多様性ある被験者の登録を目指す。

脳内出血患者を対象とするBEACH試験では、損傷および疾患によって誘発された炎症性サイトカインの過剰分泌を選択的に抑える働きを持つ低分子医薬品候補のMW189について、その安全性と忍容性を検証する。同試験は、国立衛生研究所(NIH)からの資金提供を受けて行われる。Viz.aiのクラウド基盤の臨床試験加速プラットフォーム「Viz RECRUIT」をBEACH試験に利用することで、被験者候補の医療用画像をリアルタイムでスキャンし、試験目的に合致する患者を自動的に特定して、BIOSの研究班に通知することにより、多様性のある被験者の大規模な登録を迅速に行うことを支援する。


出典:Viz.ai

2016年設立のViz.aiは、AIアルゴリズムと機械学習(ML)を用いて診断とケアのスピードを向上させるパイオニア企業で、同社の技術は、米国と欧州の2億人以上の人々に医療ケアを提供する1,300以上の病院と医療システムにおいて利用されている。2018年2月には、CTスキャン画像の分析を実施し、脳卒中が検出された場合に臨床医に通知する、臨床意思決定支援(CDS)ツールの「Viz.ai Contact」が、De Novo経路でFDA承認を獲得した。

Viz.aiによると、AIを搭載した同社のプラットフォームは、特定の疾患を持つ患者を同定し、ケア提供時に重要な情報を提供することで、ケアのあり方を最適化して患者のアウトカム改善を支援する、臨床データに裏打ちされたインテリジェントなケアコーディネーション・ソリューションであり、患者、医療サービス提供者、製薬・医療機器企業に大きな価値を提供することができる。

(了)


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