2023/01/24

米国eHealthジャーナル第81号

音声認識技術企業のVoiceittが470万ドルを調達

イスラエル, ジャーナル第81号, 医療コミュニケーション支援, AI技術, 音声技術, Voiceitt, VC投資・M&A・決算

プラットフォームの拡張と音声データベースの拡充を目指す

一部メディアは12月12日、音声認識技術の開発に特化するVoiceittが470万ドルを調達したと報じた。AMIT Technionが主導した同投資ラウンドには、Third Culture Capital (3CC)とCisco Investmentsが加わった。  Voiceittは、同社が目標とする1,000万ドルの調達に向けて追加ラウンドを実施するという。


出典:Voiceitt

Voiceittは2012年創業のイスラエル企業で、2020年8月に完了したシリーズA投資ラウンドでは1,000万ドルを調達している。同社によると、これまでに株式を希薄化しない500万ドルのグラント/競争的資金を含む、2,000万ドルを調達している。

Voiceittは、発話障碍者のコミュニケーション支援を目的とした人工知能(AI)基盤の音声認識アプリを提供している。このアプリは、非定型もしくは明瞭ではない音声をリアルタイムで翻訳するものだ。Voiceittは今回獲得した資金を、プラットフォームの拡張、商業化の加速、独自の音声データベースの拡充に充てる予定である。

Voiceittは、一般的な音声アシスタントの学習に使用される音声とは大きく異なる特徴を持つ人々の発話を理解できるよう、音声認識モデルを学習させる技術を開発している。アルゴリズムと言語学の専門家によって設計された技術を基盤とする、iOSのモバイルアプリとアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)は、ユーザー特有の発話パターン、発音、そして病気や怪我の影響などによる非言語的な音声といった微細な要素を学習する。統計的モデリングと機械学習(ML)により、Voiceittのアプリは使うたびに改善される。


出典:Voiceitt

Voiceittは、Amazon Alexa Fundのポートフォリオ企業の1社でもある。2018年には、シアトルで開催されたAlexa Accelerator powered by Techstarsに参加した。 Alexa Fundは、AmazonのAI基盤音声アシスタント「Alexa」におけるイノベーションを促進する目的で組成されたファンドで、最大で2億ドルの資金を提供する。

(了)


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