2023/01/24

米国eHealthジャーナル第81号

Sonde、シリーズB投資ラウンドで1,925万ドルを調達

音声技術, ジャーナル第81号, 患者データ・疾病リスク分析, AI技術, VC投資・M&A・決算, Sonde Health

音声バイオマーカーで疾病を早期に診断

バイオマーカーの開発に特化するマサチューセッツ州ボストン拠点のデジタルヘルス企業、Sonde Health(以下、Sonde)は12月8日、シリーズB投資ラウンドで1,925万ドルを調達したことを明らかにした。lPartners Investmentが主導した同ラウンドには、NEOM CompanyやKT CorporationのほかSondeの既存投資家であるPureTech HealthやM Venturesも参加した。M Venturesはドイツの製薬大手ドイツの製薬大手Merck KGaAのコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)。今回のシリーズB投資ラウンドも含め、Sondeはこれまでに3,225万ドルを調達している。

Sondeは、スピーチ・パターンの僅かな変化から、身体や精神の健康に関する洞察を引き出す音声ベースの技術を利用して、患者のモニタリングや診断を行うことを目指している。Sondeのリード製品である「Sonde One」は、6秒間の音声サンプルから、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などを検出することが可能だ。「デジタルバイオマーカーはヘルスケアの主流になりつつある。今日のヘルスケア企業は、音声バイオマーカーが早期段階から人々の健康にいかに関与するかを理解している。音声から得られるデータと洞察は、患者のモニタリングと層別化を可能にし、コスト高につく医療イベントの発生前に問題を特定することに役立つ」とSondeのCEOであるDavid Liu氏は述べた。

Sondeでは今回調達した資金を、ビジネスのグローバル展開と、メンタルヘルスおよび呼吸器疾患分野における音声基盤モニタリング技術のさらなる発展、および新たな適応症での利用のために活用する。David Liu氏は「音声/リスニング・デバイスの活用により、アクセス可能で効果的なモニタリングを、世界の大多数の人々に提供することが可能になる」と話す。


出典:Sonde

Sondeは、4大陸にまたがる8万5,000人以上の被験者から採取した120万件以上の音声サンプルで構成される、最大かつ最も多様な音声データセットを有している。Sondeによると同社は、複数の健康状態に対応する人工知能(AI)/機械学習(ML)基盤のモニタリング製品を提供する唯一の音声バイオマーカー企業だ。

現在同社は音声バイオマーカー技術を、テレヘルス、製薬、遠隔患者モニタリング、消費者・医療機器など、さまざまな健康分野の企業に提供している。

(了)


本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2023 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部

連載記事

執筆者について

関連記事