2021/07/28

内科医師の臨床現場におけるDXへの期待(第3回)

内科医師の診断を補助する画像診断システム(前編)

患者データ・疾病リスク分析, 臨床医, AI技術, 診断・検査・予測

CT画像の読影補助_技術の進歩

画像検査は古くX線検査から始まり、今やCT、MRI、核医学検査など、さまざまな検査が存在している。それらは形態的な評価のためであったり、機能について調べるためであったりと多種多様に進化している。

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CT検査は体を切り開かなくても病気を診断したい、という医療者たちの願いを叶えようとしている。1968年に開発されて以来、より細かく、短時間で、少ない被ばく量により画像を得ることを目指して改良が進められてきた。開発当初のCTは4分かけてようやく2枚の断面画像を作成するようなものであったが、やがてヘリカルスキャンと呼ばれるX線を放出させる管球と検出器をらせん状に回転をさせる方法や、マルチスライスと呼ばれる検出器を複数にする方法で、今や頭の先から足先までものの十数秒でスキャン出来るようになった。造影剤を静脈から投与することで、通常のCTでは判断の難しい腫瘤の診断や、腸管の状態、血流の有無などについても分かるようになった。より薄く細かい画像を作ることもでき、高分解能CTは今や肺疾患の診断にはなくてはならないものとなった。また近年は断面を作り出すだけでなく3次元の立体画像に再構成することもできるようになっている。心臓のような常に動いている臓器についても3次元で再構成することができ、心臓の栄養血管である冠動脈が細くなっている部位がないか、心臓カテーテル検査をしなくてもある程度評価ができるようになった。内視鏡検査でなければ分からないと言われていた大腸についても、CT画像を3次元に再構成することで、ポリープや腫瘤の有無をより苦痛の少ない方法で検査することができるようになった。

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