2022/04/22

デジタルテクノロジーによって進化する歯科治療(第4回)

【前編】国境を越えたデジタル技術の提携ー日本の歯科産業の戦略

臨床医, 診断・検査・予測, 画像技術, 医療機器

医療メーカー・京セラの新たな選択

皆さんは、歯科でインプラントという治療法の名前を聞いたことがあるかもしれません。
失われた歯を補う方法として、骨に人工歯根を埋めてかぶせ物を取り付けるインプラント治療は、国内外で一般的になってきました。口腔外科や補綴物(かぶせ物など)の力学的な学術的知識、予防や長期的な管理など総合的で高度な歯科の臨床的な能力が必要とされる分野です。私も新しい技術として学ぶ必要があると考え、大学卒業後に学会指定講習会のほか大学病院での研修を受けました。

デジタルテクノロジーはアメリカや、日本でも自由診療(保険外)で治療費の制約が少ないことから新技術が取り入れられやすい背景があり、特にインプラント治療では積極的に導入されています。たとえばガイデッド・サージェリーという、CTから作成した3D画像を用いてインプラント体を埋入する位置をシミュレーションする技術があります。神経や血管のある部位を避けて、最終的な人工の歯(上部構造)の噛み合わせのことも配慮して手術するために使われています。

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(出所:Shutterstock)

これは、それまで歯の模型やレントゲンなどから計算して決めていたポジションを総合的に判断するのをアシストするものです。実際の臨床では、こうしたテクノロジーだけで行えるものではありませんが、オペレーターの経験や知識をサポートする治療補助ツールとして急速に普及してきました。

日本でも、これまで歯科産業を支えてきた企業がこうした歯科のデジタル技術に参入しています。その中の一社が、歯科分野のメーカーの一つである京セラです。同社はファインセラミックスの会社として創業し、今日ではスマートフォンや通信端末、半導体関連部品などのハイテクノロジーからソリューションまでを牽引してきました。医療分野においても、特に整形外科分野での人工関節や人工骨が有名です。

そんな京セラは2021年に、インプラントに取り付ける人工の歯(上部構造・補綴物)をデジタルで製造するOsteon Medical社(豪州メルボルン)が日本での製造拠点として設立したオステオンデジタルジャパン株式会社(以下、オステオン社)との協業を発表しました。1978年に日本で最初の歯科インプラント体(骨に埋める部分)の発売を開始した同社ですが、デジタルの時代になり、新たなソリューション提供に着手しようとしています。

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(出所:京セラ株式会社)

今回、京セラのメディカル事業部デンタル営業部責任者の吉田 亨氏に、同社の歯科インプラント事業のこれまでとこれから、協業の意図についてお話を伺いました。

賀茂: デジタル化が進む歯科の世界で、これまでどのような取り組みを行なっていますか?

吉田氏: 昨今、歯科業界において様々なデジタル化が急速に進んできています。我々が担当するデンタルインプラントビジネスにおいても、診査診断機器(レントゲン)・治療用シミュレーションソフトウェア・CAD/CAMによる最終上部構造製作など当然のようにデジタル技術が普及してきています。

同社がなぜ、海外の企業と提携するのか、今後の方向性とは、グローバル化するデジタルIT技術の背景などインタビューの続きは、次回「国境を越えたデジタル技術の提携ー日本の歯科産業の戦略(後編)」で紹介いたします。

(次回に続く)


【出典】

この原稿の執筆に際し、掲載企業からの謝礼は受けとっていません。


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