2021/12/03

臨床医が紹介する日本のスタートアップ技術 (第12回)

手術室のデジタル化による最善の手術をどこでも享受できる世界を創る、OPExPARK (前編)

医療コミュニケーション支援, 日本, 臨床医

OPeLiNKがきっかけで進化したサービス

(出所:株式会社OPExPARK)

私は内科医なので手術室にはめったにはいるチャンスはありませんが、外科系医師にとって手術というのは一番大切な場となるのではないでしょうか。外科医の同期がいるのでわかりますが、若手のころに暇さえあれば手術に関する医学書を読み、手術日の前日にはファミレスにこもって次の日の手術の予習をしていました。解剖学的な知識がとても大切で、それを立体的に理解していないと手術は難しいですよね。さまざまな手術を見て、助手を行い、また執刀を経験していきながら、いわゆる「一人前の外科医」となっていくのではないでしょうか。

しかしながら、すべての外科医が手術経験に恵まれるわけではありません。高度な手術であれば大学病院や高度医療を専門的に行う施設でなければ見ることもできないかもしれません。一方で患者から見れば名医に手術をしてもらいたいと思うでしょう。少なくとも私が知る外科医で手術の腕をあげたいという思いがない人はいません。多くの手術に入り、多くの執刀を行い、より手術を上手に行うことを望んでいます。

そんななか、OPExPARKはIoT技術を用いて手術室をデジタル化し、世界中の医師がどこにいても現場にいるかのような「手術経験を共有できる場」の提供を実現するためにサービスを展開しています。同社が提供している、OPeLiNK(オペリンク)は、手術室で使用されている様々な医療機器のデータを時間同期して、記録・提示・リアルタイムに配信することを可能にした、手術室の情報融合プラットフォームです。

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