Robin Healthcare、シリーズA投資ラウンドにおいて1150万ドルを調達

映像と音声による自動カルテ作成プラットフォーム

カリフォルニア州バークレーを拠点とするRobin Healthcare（以下、Robin）は9月18日、Norwest Venture Partners主導によるシリーズA投資ラウンドで1,150万ドルを調達したと発表^*1した。これで、同社が調達した資金はシード投資ラウンドを含めて合計で１,500万ドルに達する。

Robinが開発するのは電子カルテ作成プラットフォームであり、全方向性マイクとカメラを内蔵するデバイス「Robin Assistant」を診察室に設置して使用する。

最新の自然言語処理ソフトウェアにより、医師と患者の自然なやりとりの中から臨床的に関連のある内容を自動的にとらえ診療記録「案」を作成する。この記録はRobinの品質保証スタッフのレビューを経て電子カルテとして各医療施設に送信され、担当医師が確認し承認する。

カメラはオプションでありマイクとカメラ共に簡単操作でオフにすることが可能。患者情報保護のため、全データは高度に暗号化され最大30日の保存期間を過ぎるとRobinのサーバから削除される。

なお、このプラットフォームはHIPAA（Health Insurance Portability and Accountability Act）^*2に準拠している。
 

調査によると、平均的な医師は患者ケア1時間あたり事務作業やPC作業に2時間^＊3も費やしている。このため、患者の診察に集中することができず帰宅後も仕事をすることになり、結果として医師の半数以上が燃え尽き症候群を経験している^＊4。　

Robinのプラットフォームを導入すれば、診察中は患者に集中することができ負担が軽減される上、つまらないミスのない実用的なカルテも手に入る。 Robinは同日、米国内トップクラスの大学附属医療施設や民間医療施設との連携及びスマートフォン等の音声アシスタント機能「Siri」の開発で知られる企業、Siri（2010年、Apple社が買収）の共同設立者であり最高技術責任者（CTO）であったTom Gruber氏を公式顧問に迎えることも明らかにしている。

(了)

本記事は公式発表を翻訳要約し、適宜解説を加えたものである。