2019/09/24

米国eHealthジャーナル 第4号

Stevens Institute of Technology、胎児の心拍を正確に捉えるウェアラブル・デバイスを開発

研究・調査, ベビーテック, 産婦人科, ジャーナル第04号, フェムテック, ウェアラブル

 
 

死産率の低下に寄与する可能性

ニュージャージー州ホーボーケンの私立研究大学である
Stevens Institute of Technologyは8月7日、胎児の心拍を正確に捉えて、両親がそれを聞くのを可能にする安全かつ非侵襲性のウェアラブル・デバイスを開発したと発表した。スマートフォンで一般に利用されているのと同じセンサーを利用する同デバイスは、胎児の動きや胎児の心拍によって、母親のお腹に伝わる振動を記録するもの。Stevens Institute of Technologyによると、同デバイスは上市済みのあらゆる胎児心音モニターよりも精度が高い可能性がある。また、ECG(心電図)を測る超音波基盤の既存ツールと比較して、嵩張らず利用にも専門知識を要しない。

妊婦10名が参加したパイロット試験では、超音波を利用して胎児のECGを測定する胎児心拍陣痛測定法(CTG)と同様の精度で同デバイスが胎児の心拍数を検出できることが示された。同研究結果は7月24日付でIEEE Sensors Journalに掲載された。

米国は、カナダ、ドイツ、日本などの他の先進国と比較して、生後1年未満の乳児死亡率(出生1000対比)が5.8(2017年)とずば抜けて高い。これに対して日本の乳児死亡率は世界最低レベルの1.9(2017年)だ。政府統計によると、特に黒人の乳児死亡率が高く、2016年には1000の出生に対して11.4名の乳児が死亡している。

Stevens Institute of Technologyが開発した新規デバイスは、より正確な胎児の健康モニタリングを可能にすることで、死産率や乳児死亡率の低下をもたらす可能性がある。

 

(了)

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