2023/04/11

米国eHealthジャーナル第85号

DTx企業のDarioHealth、CGMデバイス企業のDexcomと提携

ウェアラブル, 糖尿病, DarioHealth, Dexcom, ジャーナル第85号, 提携, 生活習慣病, 疾病管理・患者モニタリング

データ統合により、高度に個別化されたケアサポートの提供へ

慢性疾患管理のためのデジタル・セラピューティクス(DTx)を手掛けるDarioHealth(以下、Dario)は2月8日、糖尿病患者向けの持続血糖測定(CGM)デバイスシステムを手掛けるDexcomと提携したと発表した。DexcomのCGM由来データがDarioの慢性疾患管理用プラットフォームに直接統合されれることで、患者は、より個別化されたケアサポートとガイダンスを受けることが可能となる。

Darioのプラットフォームでは、糖尿病管理、高血圧症管理、体重管理のためのDTxを提供している。いずれのDTxも、コネクテッドデバイス(血糖値測定デバイス、デジタル体重計、デジタル血圧計など)と、コンパニオン・スマートフォンアプリをコア要素としており、専門家によるデジタルコーチングや疾病モニタリングを介して、高度に個別化されたデジタル基盤の疾病管理を実現する。Darioによると、アプリは8言語に対応しており、コーチングも複数の言語で提供されている。同社の血糖値測定デバイスである「Dario Blood Glucose Monitoring System」は、FDAをはじめとする各国の規制当局から医療機器として承認されており、米国、カナダ、英国、ドイツ、イタリア、オーストラリア、オランダ、ニュージーランドで販売されている。


出典:Dario

Darioによると、今回のDexcomとの提携はフランスの製薬大手Sanofiとの提携を礎としている。Dario とSanofiの米国子会社は2022年3月、Darioの既存DTxの共同販促と新規ソリューションの共同開発で合意に至った。Darioによると現在この提携では、複数の技術パートナーおよび先進のDTxで構成されるエコシステムの構築を目指している。

イスラエルで開発された技術を基に2011年にデラウェア州に設立されたDarioは、現在はニューヨーク州ニューヨークに本拠を構える。2019年5月には新規株式公開(IPO)を実施し、ナスダック株式市場に上場を果たした。同社は、慢性疾患分野を超えたビジネスの拡大を目指しており、2021年5月には、認知行動療法(CBT)やマインドフルネスの技法を基盤としたメンタルヘルスケア・プラットフォーム「wayForward」の開発企業、PsyInnovationsを3,000万ドルで買収している。また、2022年1月にはイスラエル拠点のデジタルヘルス企業 Physimax Technologies(以下、Physimax)を買収し、2021年10月から提供している筋骨格系(MSK)DTx分野を強化した。Physimaxは、人の体の動きを検知・測定するコンピューター・ビジョン(CV)技術と人工知能(AI)技術を利用して、MSK機能のスクリーニングを実行する身体機能アセスメントアプリを手掛けている。

(了)


本記事掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2023 株式会社シーエムプラス LSMIP編集部

連載記事

執筆者について

関連記事