2022/11/22

米国eHealthジャーナル第77号

DTCテレヘルス・プロバイダーのRoがNIAと提携

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AD/ADRD臨床試験における被験者の多様性確保に向けたイニシアチブで

DTCテレヘルス・プロバイダーのRoman Health Ventures(以下、Ro)は10月6日、アルツハイマー型認知症および関連認知症(AD/ADRD)の臨床試験における被験者の多様性確保を目指すイニシアチブ、「Registry for Equal Access to Clinical Trials in Alzheimer's Disease(以下、REACT-AD)」においてRoのテレヘルスプラットフォームを活用することで国立老化研究所(National Institute on Aging、NIA)と合意したと発表した。NIAは国立衛生研究所(NIH)傘下組織で老化研究に特化している。

NIAは、Roのテレヘルスプラットフォームを活用し、 AD/ADRDのリスクが高い患者のスクリーニングと臨床試験への被験者募集をバーチャルで行う。 NIAは、REACT-ADに由来するデータを分析するとともにREACT-ADに由来する研究成果についての論文発表を監督する。

米国では、600万人以上の市民がADに罹患している。高齢者の3人に1人がADまたはその他の認知症で死亡しており、認知症は米国における死因の第7位を占めている。AD/ADRD治療薬には大きなニーズが存在するものの、AD/ADRD臨床試験における被験者の人種・民族的不均衡がAD/ADRD治療薬開発における大きな課題となっている。ADの臨床試験では、この疾患の影響を大きく受けている人種・民族的マイノリティの参加者が少ないことから、これまでに得られた研究結果をより幅広い集団に適用することが困難となっている。さらに、現在も進行中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、従来の方法による被験者募集はさらに困難になっている。

出典:Shutterstock

テレヘルスの利用により、被験者がこれまで直面していた障壁、例えば、複数回におよぶ試験施設/診療所への移動や休職、育児などにおける負担を軽減することで、多様性に富む被験者の募集と登録プロセスを促進することが期待されている。この研究のユニークな点は、被験者登録、スクリーニング、評価のすべてを患者の自宅で行うことが可能であることだ。患者は自身の都合に合わせてスケジュールを組むことが可能だ。

NIAの上級研究員でClinical and Translational Neuroscience Section(CTNS)のチーフであるMadhav Thambisetty博士は、「すべての人がADの臨床試験に平等に参加できるようにすることは、道徳的要請であるとともに、正しい科学の在り方でもある。現在進行中の研究から生まれた最も有望なAD治療薬候補の試験実施に向け、組み入れ基準を満たす多様かつ分散化された患者レジストリの作成に期待している」と声明で述べた。

Roによると、同社は10月中にフィージビリティスタディを実施する。NIAの2つの臨床試験施設(メリーランド州ベセスダとボルチモア)から50マイル以内に住んでいるRoのテレヘルス・プラットフォームの利用者のうち、AD/ADRD発症リスクの高い48歳~65歳の患者を対象にアウトリーチを行う。ADリスクは、Ro独自の電子カルテ(EHR)から得られる併存疾患や人口統計に関するデータによって定義される。連絡を受けた患者は、Roのプラットフォームを通じてさらなるスクリーニングに参加することができる。

(了)


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