2022/11/08
米国eHealthジャーナル第76号
Neuromod社、ニューロモデュレーションを耳鳴り治療に
耳鼻咽喉科, 医療機器, 音声技術, 聴覚障害, ジャーナル第76号, Neuromod
アイルランド発、欧州から米国へ展開する医療機器「Lenire」

この男性は一体、何をしているのだろうか?決して独りでいる寂しさからおしゃぶりを咥えているのではない。静寂の中、キーン、ピーという高音域、ないしジー、ザーという低音域の耳鳴りの苦痛に耐え、一縷の望みをかけて、新しい治療法を試しているのである。
https://www.lsmip.com/article.html?id=6570
耳鳴りは、外部からの音刺激なしに音を知覚してしまう異常な神経学的状態である。健常者でも一過性のものなら誰しもが経験しているであろう、ありふれた聴覚関連障害とも言える。認知行動療法や補聴器の装着、教育的カウンセリング、音響療法であるTRT(Tinnitus Retraining Therapy)など、有効な治療法はあるものの、根治が難しい場合が多いことが、患者や医師の悩みとなってきた。
たかが耳鳴りと思うなかれ。身近なものだけに、慢性化してしまうと、その不快な症状は集中力の低下や入眠の妨げなどとなり、日常生活のQOLを下げてしまうばかりか、鬱や不安症など精神障害を伴うこともあり、実に厄介な存在となりかねないアンメットニーズの疾患である。
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アイルランドの首都ダブリンを本拠とし、ニューロモデュレーション技術を開発する2010年創業の医療機器メーカー Neuromod社(Neuromod Devices Limited) が相次いで発表するニュースは、耳鳴り症状の緩和装置「Lenire」が...
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