2023/06/13

米国eHealthジャーナル第89号

Teladoc、2023年第1四半期の決算を発表

Teladoc, テレヘルス, VC投資・M&A・決算, ジャーナル第89号

赤字幅が大きく縮小

テレヘルスおよびデジタル・セラピューティクス(DTx)を活用した包括的バーチャルケアの提供に特化するデジタルヘルス企業のTeladoc Health(以下、Teladoc)は4月26日、2023年第1四半期決算を報告した。

売上は前年同期の5億6,540万ドルから11%増の6億2,920万ドルとなった。部門別では、一般消費者を対象とするDTCメンタルヘルス部門のBetterHelpが前年同期比21%増の2億7,930万ドル、企業顧客向けの統合ケア部門が同5%増の3億5,000万ドルだった。

Teladocによると、BetterHelpの有料ユーザー数は前年同期から22%増加した。同部門は最近、広告を目的としてFacebookやSnapchatなどの第三者と消費者データを不正に共有した疑いで、米連邦取引委員会(FTC)から罰金を科された。BetterHelpは、自社の不正行為を認めなかったが、「旧来の慣行」に関してFTCと和解に至ったことを明らかにしている。

純損失は6,920万ドル(1株当たり0.42ドル)だった。前年同期には純損失67億ドル(1株当たり41.58ドル)を計上しており、赤字幅は大きく縮小した。前年同期には、糖尿病管理を目的とするDTxのパイオニア企業として知られるLivongo Health(以下、Livongo)の買収に関連した66億ドルののれん代減損損失を計上し、大幅赤字となっていた。

Teladocは2020年8月に、Livongoと合併合意に至り、同年10月末に株式交換と現金の組み合わせによる総額約185億ドルでのLivongo買収取引を完了。包括的なバーチャル診療を提供するための新体制をスタートさせた。しかしながらLivongoの買収は現在までのところ、Teladocの株価パフォーマンスにマイナスの影響をもたらしている。


出典:Teladoc

当期の調整後EBITDA(金利、税金、償却前利益)は、前年同期の5,450万ドルから5,280万ドルに減少した。

2022年はTeladocにとって財政的に苦しい1年となった。2022年通年決算では、複数ののれん代減損損失を計上したことにより、通年の純損失は137億ドルとなった。同社は2023年、営業コストを削減するための大規模なリストラ計画の一環として、約300人の従業員を解雇している。

(了)


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