2022/10/11

米国eHealthジャーナル第74号

Sanofi、AI創薬でAtomwiseと提携

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深層学習と構造ベース創薬デザインを組み合わせたAtomNetを活用

フランスの製薬大手Sanofiと人工知能(AI)を使用して低分子医薬品の発見に取り組むAtomwiseは8月17日、最大5つの薬剤標的の発見と研究を目的として、Atomwiseのプラットフォーム「AtomNet」を利用する独占的な研究提携契約を締結したと発表した。

カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするAI創薬企業のAtomwiseは、2012 年創業のスタートアップ。同社は、データからその特徴を学習して事象の認識や分類を行うディープ・ラーニング(深層学習)やスーパーコンピューターの分析能力を駆使し、医薬品化学者のように論理的に「考える」システムを開発した。Atomwiseは、自社内で開発ポートフォリオ構築に取り組むほか、製薬企業に対しては、データや統計の精査から洞察を抽出する深層学習と構造ベース創薬デザインを組み合わせたAtomNetを活用して、構造ベースの低分子医薬品候補を発見するサービスを提供している。


出典:Atomwise

Atomwiseは、学術研究機関や製薬・バイオテク企業と提携し、500件以上の薬剤発見プロジェクトに携わっている。Atomwiseによると、AtomNetの利用により、3兆種類以上の合成可能な化合物からなるAtomwise独自のライブラリの中から、標的に作用する医薬品候補を迅速に発見することが可能だという。

合意の下、SanofiはAtomwiseに契約一時金として2,000万ドルを支払い、最大5つの標的に対する化合物の特定と合成、開発を進める。Atomwiseは研究、開発および販売マイルストーン金として10億ドル以上と、提携から生まれた製品が承認された場合は売上に応じたロイヤルティを受領する。

Atomwiseは2020年8 月のシリーズB投資ラウンドで1億2,300万ドルを調達している。B Capital Group とSanabil Investmentsが主導した同シリーズB投資ラウンドには、DCVC、BV、Tencent、Y Combinator、Dolby Family Ventures、AME Cloud Venturesらも参加した。

(了)


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