2022/09/27

米国eHealthジャーナル第73号

Pear Therapeuticsが2022年第2四半期決算を発表

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マーケットアクセスは拡大するも通年ガイダンスを下方修正

処方箋デジタル・セラピューティクス(DTx)の開発に特化するPear Therapeutics(以下、Pear)は8月11日、2022年第2四半期決算を発表した。Pearは2021年6月に特別買収目的会社(SPAC)であるThimble Point Acquisition Corpと合併することで合意し、同年12月の取引完了を経てナスダック上場を果たしている。Pearの経営陣の顔ぶれに変化はない。

PearはDTxのパイオニア企業として知られている。同社は、物質使用障害(SUD)患者の治療を適応として2017年9月にFDA承認を獲得した「reSET」、オピオイド使用障害(OUD)患者による外来治療プログラム継続率の向上を目的に2018年12月にFDA承認を受けた「reSET-O」、慢性不眠症患者の治療を適応に2020年3月にFDA承認を受けた「Somryst」の3種類の処方箋DTxを販売している。また、2021年11月には、アルコール使用障害(AUD)を適応症として開発中の処方箋DTx候補、「reSET-A」について、FDAから画期的医療機器指定を獲得している。

第2四半期のDTx総処方件数は11,000件以上で、売上は前年同期の120万ドルから330万ドルに拡大した。直前期(2022年第1四半期)は、DTx総処方件数が9,200件以上、売上が270万ドルだった。Pearによると、第2四半期におけるDTxの平均販売価格(ASP)は1,323ドル。当期の最終損益は、2,820万ドルの純損失を計上した前年同期から黒字に転じ、550万ドルの純利益を計上した。

Pearは直前期である第1四半期決算において、reSET と reSET-Oについてオクラホマ州メディケイド局と価値に基づくアクセス契約を締結したほか、ミシガン州とも提携合意に至り、保険カバレッジが拡大していること、また、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が、処方箋デジタル行動療法に対して新たにHCPCSコードを設定したことで保険償還における重要なマイルストーンが達成されたとして、2022年通年のガイダンスを、売上2,200万ドル、総処方件数5~6万件としていた。しかし、今回の第2四半期決算ではこれらを下方修正し、売上を1,400万~1,600万ドル、総処方件数を3万5,000~4万5,000件とする通年ガイダンスを明らかにした。

Pearによると、同社のマーケットアクセス戦略が功を奏し、主にメディケイドを通じて同社の処方箋DTxへのアクセスを患者に提供する州の数は、現在8州となった。また、民間保険においても、イリノイ州、フロリダ州、カンザス州、ミネソタ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、ノースカロライナ州、ノースダコタ州、オクラホマ州、ロードアイランド州、テキサス州、ワイオミング州の14のBlue Cross Blue Shieldのプランにおいて、その医薬品フォーミュラリーにreSETとreSET-Oが収載されたと報告した。 医薬品フォーミュラリーは、保険が適用される医薬品のリストで、フォーミュラリーに掲載されていない医薬品を利用する場合には患者の全額自己負担となる。DTxが広範な患者にリーチするためには保険償還というハードルをクリアする必要があり、複数の保険プランにおけるフォーミュラリー掲載はPearにとって追い風となる。

(了)


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