2019/10/22

米国eHealthジャーナル 第6号

Planned Parenthoodがテレヘルスアプリを発表

ジャーナル第06号, テレヘルス

 
 

2020年末までに全米展開を計画

避妊薬の処方や性病治療などを行う非営利の医療サービス提供団体
Planned Parenthoodは9月4日、「Planned Parenthood Direct」と呼ばれるスマートフォン用テレヘルス・アプリを提供すると発表した。「Planned Parenthood Direct」は現在、ワシントンDCと27州で利用可能で、テレヘルスを介した避妊薬の処方や尿路感染症(UTI)の治療の提供を可能にしている。Planned Parenthoodでは、2020年末までに同アプリを全米で展開する計画だ。この新しい取り組みは2014年に開始された2件のパイロットプログラムに端を発する。その後2015年には全米6州でプログラムの検証が行われた。

 

(出典)Planned Parenthood


同アプリの提供開始を発表する数週間前にPlanned Parenthoodは、貧困層向け家族計画連邦資金補助プログラムである「Title X program」から締め出される見通しであることを明らかにした。Title X programの資金は、性感染症(STD)予防や癌スクリーニング、避妊薬の処方に充てられるものだが、ドナルド・トランプ政権は2019年2月、妊娠中絶を提供、もしくは中絶を目的とした他の医療機関への患者紹介を行う医療機関は同プログラムの資金を受領できないとする新規制を発表した。
 

Planned Parenthoodは、何十年にもわたってTitle X programから連邦資金を受領しており、ParenthoodはTitle X programから恩恵を受ける全患者の40%に医療サービスを提供してきた。中絶反対の立場を取るトランプ政権によるこの新規制に対し、Planned ParenthoodのCEOであるAlexis McGill Johnson氏は、トランプ政権やいかなる者も、ヘルスケアの提供および患者の啓蒙というPlanned Parenthoodのミッション実行を阻むことはできないと語る。

Planned Parenthood Directは、患者にとっての時間や移動、医療機関の診療時間や予約枠といった制限を取り払い、収入や居住地域に関係なく、医療を提供する。Planned Parenthoodによるデジタルの取り組みはPlanned Parenthood Directが初めてではない。2019年1月には、ティーンエイジャーの女子を対象として思春期や性的健康に関する質問に答える「dubbed Roo」と呼ばれるチャットボットを展開している。また、2016年には生理周期を追跡して避妊管理に役立てる 「Spot On」と呼ばれるアプリをリリースしている。

 

(了)


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