2023/01/24

米国eHealthジャーナル第81号

Medical Informatics、2,700万ドルの資金を調達

VC投資・M&A・決算, MedicalInformatics, 疾病管理・患者モニタリング, ジャーナル第81号

製品スペシャリストおよび顧客エンゲージメントチームを強化

患者モニタリングよびデータ分析企業のMedical Informaticsは11月29日、シリーズB投資ラウンドと借入金融(デット・ファイナンシング)を合わせ、合計で2,700万ドルの資金を調達したことを明らかにした。Medical Informatics が1,700万ドルを調達したシリーズB投資ラウンドは、ライフサイエンス分野に特化する投資会社Catalio Capital Management(以下、Catalio)のベンチャー・キャピタル(VC)部門と、Intel Capitalが共同で主導し、Medical Informatics の既存投資家であるTMC、DCVC、nCourageのほか、 新規投資家としてNotleyとTGH Innoventuresが参画した。また、1,000万ドル規模のデット・ファイナンシングはCatalioが主導した。Medical Informaticsは今回調達した資金を、製品スペシャリストおよび顧客エンゲージメントチームの強化に利用するという。

シリーズB投資ラウンドの一環として、CatalioのプリンシパルであるJonathan Blankfein氏がMedical Informaticsの取締役に、また、Catalioのリサーチ部門トップのDiamantis Xylas博士がボードオブザーバーに就任した。ボードオブザーバーは、一般的には投資会社が投資先企業の経営に積極的に関与することを目的として、投資先企業の取締役会に送り込まれる。議決権はないが議論に参加して企業経営に関与する。

テキサス州ヒューストンを拠点とするMedical Informaticsは、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)製品である「Sickbay Clinical Platform」を病院向けに提供している。2015年に510(k)申請経路でFDA承認を受けたこのプラットフォームは、患者のベッドサイドデバイスに由来するリアルタイムデータを提供するもので、医療サービスプロバイダーによる患者の遠隔モニタリングを可能にする。電子医療記録(EHR)およびその他システムとの統合も可能だ。


出典:Medical Informatics

遠隔患者モニタリング(RPM)は投資マネーが流入するデジタルヘルス領域の1つで、2022年にも複数の企業が大規模な資金調達を発表している。カリフォルニア州サンフランシスコ拠点のリアルワールドエビデンス(RWE)分析企業、Verana Healthは1月に完了したシリーズE投資ラウンドで1億5,000万ドル、また、同じくカリフォルニア州ニューポートビーチ拠点のスタートアップVivoSenseは、3月のシリーズA投資ラウンドで2,500万ドルを獲得した。VivoSenseは、ウェアラブルセンサーを臨床試験に統合することでデジタルバイオマーカーの活用を支援するプラットフォームを手掛けている。

(了)


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