2022/09/13

米国eHealthジャーナル第72号

Carawayがシード資金調達ラウンドで1,050万ドルを調達

ジャーナル第72号, Caraway, テレヘルス, VC投資・M&A・決算

大学生の年齢の女性における性と生殖に関するケアニーズに対処

一部報道は7月27日、女子大生向けのバーチャルケア提供に特化するCarawayがシード資金調達ラウンドで1,050万ドルを調達したと報じた。シードラウンドは、7wireVenturesとOMERS Venturesが主導し、Hopelab Venturesほか複数のエンジェル投資家が加わった。

Carawayは、7wireVenturesとOMERS Venturesとの提携から誕生したスタートアップ企業で、大学生の年齢の女性における性と生殖に関するケアニーズを満たすことを目指している。Carawayでは、産婦人科医、精神科医、家庭医、青年期スペシャリスト、セラピスト、看護師、ケアコーチなどで構成されるケアチームによるヘルスケアサービスの提供を、今秋に開始する計画だ。患者はアプリを介してナース・プラクティショナー(NP)とチャットしたり、対面診療のためのリファラルを出してもらったり、尿路感染症(UTI)や性感染症(STI)の有無を調べるための家庭用診断キットを注文することなどが可能だという。

米国では連邦最高裁判所が6月24日に、1973年の「ロー対ウェイド(Roe v. Wade)」裁判における判決を覆し、「中絶する権利は憲法が定めるものではない」と結論付けたことを受け、性と生殖に関するケアへのアクセスが一部地域で困難になっている。Carawayは、同社のバーチャルケアサービスを、特に大学生の年齢の女性におけるケアアクセスとケアコーディネーションを改善する方法として位置づけている。

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出典:Shutterstock

連邦最高裁が、妊娠15週以降の中絶を禁じるミシシッピ州法の合憲性を争った「ドブス対ジャクソン・ウィメンズ・ヘルス(Dobbs v. Jackson Women's Health Organization)」裁判において、妊娠を継続するか否かに関する女性の決定は憲法上認められた権利であるとした「ロー対ウェイド」の判決を覆したことにより、各州政府は、それぞれ独自の州法で中絶の権利を保障もしくは禁止・規制することが可能となった。

中絶反対派(プロライフ)が多数派を占める州では、中絶を完全に禁止するか、以前よりも厳しく制限するようになるとみられており、ニューヨークタイムズ誌によると8月2日現在、少なくとも14州で中絶が禁じられている(うち4州では、妊娠6週以降の中絶を禁止)。

(了)


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