2019/08/13

米国eHealthジャーナル 第1号

癌臨床試験情報共有プラットフォーム構築で9組織が提携

悪性新生物(癌), 患者データ・疾病リスク分析, ジャーナル第01号

 
 

Biden Cancer Initiativeの一環で

オバマ政権下で副大統領を務めたJoseph Biden氏が立ち上げた独立非営利団体の「Biden Cancer Initiative」は6月1日、癌治療の臨床試験情報を共有するプラットフォームとして「Oncology Clinical Trial Information Commons(OCTIC)」を構築すると発表した。OCTICは、臨床試験の被験者選定基準や要件、実施場所といった情報を機械読み取り可能なフォーマットで集めたシステムで、製薬企業や治験担当医はこれにアクセスし、「患者マッチング」やその他のデータマイニングを行うことができるという。

現在9組織がOCTIC構築に協力を表明しており、専門知識や技術を持ち寄り、システムの設計と開発からパイロットプログラムの実施、公開までの一連の作業に取り組む。

参加9組織は、

● 非営利組織のBreastCancerTrials.orgとCancer Commons、
● 電子医療記録(EHR)の共有・活用プラットフォーム開発のCiitizen、
● 臨床試験マッチングサービス提供のEmergingMed、
● プレシジョン・オンコロジー向けソフトウェア開発のGenomOncology、
● プレシジョン・メディシン向け包括的データ・プラットフォームを保有する
   Genospace/Sarah Cannon Research Institute、
● ヘルスケア分野へのAI活用を目指すIBM Watson Health、
● 癌ケアのあらゆる専門家をつなげ最適な助言を提供するシステム開発のMassive Bio、
● 癌分野へのプレシジョン・メディシン・データの活用を目指すSyapse。

OCTICは、臨床試験エコシステムの全要素とよく馴染む形になることが想定されている。
連邦政府が管理するレジストリ・プログラムや患者擁護団体、ヘルスケア組織はOCTICと接続し、それぞれのサービスの強化に役立てることができるようになる。また、製薬企業や治験担当医が「ワンストップ・データエントリー」のポイントとしてOCTICを活用できるようにすることを目指す。

 

(了)


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