2021/03/16

「米国製薬業界週報」

ANDA提出可能性、参照製品の年間売上に比例

「米国製薬業界週報」 2020年11月6日発行 第827号 より許可転載

CDER研究班がブランド薬400剤の後ろ向き研究を実施
 FDA医薬品評価研究センター(CDER)の研究班は10月28日、簡易新薬承認申請(ANDA)がFDAに提出される可能性を予測し得る要因について調査した結果を発表した。2011~2017年の間にANDA提出が可能だったブランド薬400剤を対象に研究班が実施した後ろ向き研究では、400剤のうち140剤が新規化学物質(NCE)製品として承認されていた。

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ANDAの提出は、ANDAが合法的に提出できるようになってから2週間以内に、140剤のNCE製品の半分以上で行われていた。またANDA提出は、先発ブランド薬の売上が高かった場合に行われる可能性が高かった。例えば、独占権を持つブランド薬の年間売上が、承認日から最大4年間で2億5,000万ドルを超える場合、これを参照製品とするANDA提出数は、年間売上が1,000万ドル未満のブランド薬を参照とするANDA提出数よりもほぼ4倍多かった。なお、非NCE製品群でも同様の傾向が見られたが、ブランド医薬品の売上との関連性は統計的に有意ではなかった。

一方、ブランド薬がその構造、組成、または送達方法を理由に「複雑な医薬品」とみなされている場合は、該当するNCEおよび非NCE製品の両方で、
ANDA提出は行われにくい傾向が見られた。研究班はその理由として、複雑な医薬品成分または医薬品の特性評価における課題、また医薬品とデバイスの組み合わせ製品、あるいは複雑な薬剤送達技術を使用した製品の生物学的同等性評価の難しさを挙げた。

非NCE製品の場合、ANDA提出前に該当製品に関するガイダンス(PSG)が利用できるかどうかと、ANDA提出可能性との間に強い関連性が示唆された。PSGは、特定の医薬品または医薬品クラスのジェネリック薬の開発に関するFDAの見解を説明する公文書。研究班によれば、PSGが存在する非NCE製品は、PSGが非公開の場合と比較して、ANDA提出の可能性が約3.8倍高かった。

研究班は、複雑なジェネリック薬に対するものを含むPSGの適宜な作成と、複雑なジェネリック医薬品研究の優先的実施によりANDA提出が促進され、それにより、ジェネリック薬の価格競争が進み、患者がより手頃な価格で治療薬にアクセスできるようになると述べた


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