CMS、2019年の米国医療支出を発表

「米国製薬業界週報」　2020年12月18日発行 第832号 より許可転載

価格以外の要素により個人支出が拡大
　メディケア・メディケイド・サービスセンター（CMS）の保険数理室は12月16日、2019年の米国医療支出は前年比4.6％増の3兆8,000億ドルだったと発表した。2019年の医療支出増加率は国内総生産（GDP）で計測した同年の経済成長率4.0％を上回り、GDPに占める医療支出の割合は前年の17.6％からわずかに上昇して17.7％だった。1人あたり医療支出は前年の1万1,129ドルから1万1,582ドルに増加した。

2019年には、支払い先別で上位3カテゴリーである病院支出、医師オフィスでの臨床サービスへの支出、小売処方箋医薬品支出のそれぞれで個人支出が拡大した。いずれのカテゴリーにおいても、拡大に主に寄与したのは製品やサービスの使用量や使用頻度などの価格以外の要素であり、2019年の価格の前年比増加率は、病院支出が2.0％、医師オフィスでの臨床サービスへの支出が0.8％にとどまった。小売処方箋医薬品支出は前年比5.7％増の3,697億ドルで、医薬品価格は2018年の1.0％減に続き、2019年には0.4％減と2年連続で減少した。

一方で、2019年には健康保険税（Health Insurance Tax）の支払いが猶予されたことにより保険費用が3.8％減少し、個人支出拡大の一部を相殺した。

2019年のメディケア支出は医療支出全体の21％を占める7,994億ドルで、前年比増加率は2018年の6.3％をわずかに上回る6.7％だった。メディケア加入者数の前年比増加率は2018年、2019年ともに2.6％であった。民間保険が運営するメディケア・アドバンテージ（MA）プランの支出額は2018年に前年比12.6％増、2019年には同14.5％増と拡大を続け、2019年にはメディケア全支出の39％を占めた。
メディケイド支出は医療支出全体の16％を占める6,135億ドルで、前年比増加率は2.9％だった。メディケイド加入者数は、2018年に前年比0.9％減、2019年には同1.5％減と減少したが、個人支出が増加している。

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