All of Usが1周年を迎える

一般閲覧が可能な「Data Browser」

国立衛生研究所（NIH）のディレクター、Francis Collins博士は5月6日、「All of Us Research Program（以下、All of Us」の1周年を祝う、ワシントンDCで開催されたイベントにおいて、これまでに23万人が同プログラムに参加したことを明らかにした。All of Us^*1は、米国の多様性を反映した100万人以上の個人から、健康関連のデータと生体試料を収集の上、キュレートし、広範な研究用途への活用を目指す大規模プロジェクトである。

All of Usは、臨床試験ではなく「観察研究」であり、様々な科学的な疑問への対応に必要な情報を提供する。All of Usの運営プロトコル^*2では、個別化医療に関する科学を進歩させ、すべての米国在住者がその恩恵を享受できるようにすることをミッションとして謳っている。ミッション達成に際し、 健康や疾患の生物学的、臨床的、社会学的、環境的な決定因子の探査を可能とする、より充実した研究リソースの構築を目的としている。具体的には、参加者である米国在住者との連帯感の醸成、潤沢なバイオメディカル・データセット及び研究コミュニティのエコシステムなどの構築を挙げている^*3。

研究期間は、最低10年とされており、最初の5年間で 100万人の参加者達成を目指している。フォローアップは、参加者の生涯に及ぶ。All of Usを通じて収集した参加者データの研究コミュニティとの共有は、リサーチハブ（Research Hub）と呼ばれるウェブサイトを通じて行われる。

リサーチハブは、研究者のみならず、参加者等も含めて一般閲覧が可能な「Data Browser」と研究者向けのワークベンチ「Workbench」に分かれており、うち「Data Browser」は5月6日から利用可能となった。

（了）

*1) 2015年1月に開始されたPrecision Medicine Initiative（PMI）の下で構築された大規模研究参加グループ（コホート）が2016年10月にAll of Us Research Programに改称
*2) https://allofus.nih.gov/sites/default/files/aou_operational_protocol_v1.7_mar_2018.pdf
*3) https://www.nihcollaboratory.org/Pages/GR-Slides-2-2-18.pdf

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