2019/12/10

米国eHealthジャーナル 第9号

MedRhythms、歩行障害患者向けのDTxの無作為化臨床試験を開始

デジタルセラピューティクス, 筋骨格系, ジャーナル第09号, 臨床試験, MedRhythms

AIが提供する神経学的音楽療法

MedRhythmsは10月28日、脳梗塞後の歩行障害患者を対象として同社が開発中のデジタルセラピューティクス(DTx)である「MedRhythms Stride」について、全米5か所のリハビリ病院および研究センターで無作為化臨床試験(RCT)を開始したと発表した。以下の5組織においてMedRhythms Strideの有効性を検証する。

―Shirley Ryan AbilityLab(イリノイ州シカゴ)
―Kessler Foundation(ニュージャージー州イースト・ハノーバー)
―Mt. Sinai Hospital(ニューヨーク州ニューヨーク)
―Spaulding Rehabilitation Hospital(マサチューセッツ州ボストン)
―Boston University Neuromotor Recovery Laboratory(マサチューセッツ州ボストン)

MedRhythmsは、音楽を利用したリハビリテーション・プログラムにおける同社の専門的知識を活用して、センサー、音楽、人工知能(AI)を組み合わせ、歩行を測定して障害の改善を可能にするエビデンスベースの神経学的デジタル介入法を開発している。

MedRhythms Strideのほかに、転倒を予防する高齢者向けの「MedRhythms Step」や、多発性硬化症(MS)患者やパーキンソン病(PD)患者における歩行障害の改善を目的とするDTxなども開発している。


(出典)MedRhythms


(出典)MedRhythms

MedRhythmsのDTxは、リズムによる聴覚刺激(Rhythmic Auditory Stimulation、RAS)を取り入れた神経学的音楽療法と呼ばれる、エビデンス基盤の治療的技法を基盤としている。

神経学的音楽療法とは、音楽に合わせて歩行練習などを行い、動作パターンを安定させる訓練を行うもので、通常は専門のセラピストによって実施される。MedRhythmsのDTxでは、センサーが、音楽に合わせて患者がどのように歩行したかを追跡し、セラピストに代わってAIが自動的に音楽を変更する仕組みになっている。

5か所で行われるRCTは、脳梗塞後の歩行障害患者を対象にBoston University Neuromotor Recovery Laboratoryで実施されたフィージビリティ・スタディの成功を受けたもの。RCTのデータは、MedRhythms StrideのFDA承認申請に利用されるという。

(出典)MedRhythms

(了)


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