2019/11/26

米国eHealthジャーナル 第8号

Apple、布ベースのアイテムでパテントを申請

ジャーナル第08号, Apple, ウェアラブル, 行政・規制ニュース

バイタルサインを測定・収集するスマート衣類の実現か?

米国特許商標庁(USPTO)が10月3日に公開したデータベースによると、Appleは「外部の電子機器とワイヤレス通信が可能な布ベースのアイテム」について20件の請求項からなるパテントを申請中である。同データベースによると、Appleはこの布ベースのアイテムについて9月24日にパテント申請を行った。

Appleによるヘルスケア市場参入は、常に大きな話題を提供している。Apple Watchは、単なる消費者向けのウェアラブルを超えてFDA承認済みの医療機器として活躍している。最新版のApple Watchには、 ECG(心電図)機能と不整脈などの異常を検出するアルゴリズムが備わり、さらに最新OSである「watchOS 6」では専用のApp Storeが導入され、月経周期を記録する「Cycle Tracking」や、耳の健康を守るノイズ対策用の「Hearing Health」など、Apple Watchのヘルスケア関連機能がさらに大きく拡大された。

Appleはまた、iPhoneおよびApple Watch向けのデジタル・ヘルスアプリを作成するための研究者向けオープンソース・フレームワーク「ResearchKit」を提供しており、喘息、乳癌、心血管疾患、糖尿病、産後うつ、パーキンソン病などのアプリが既に多数開発されている。これらのアプリは、iPhoneやApple Watchに内蔵されている歩数計、心拍数センサー、加速度計、GPS、マイクなどを活用してデータを収集し、疾病をモニタリングしたり「スマート臨床試験」を実施するのを支援している。

一部の消息筋によると、ヘルスケアにおけるAppleの次の動きは「スマート衣類」である可能性もある。USPTO のデータベースによると、Appleが申請中の布ベースのアイテムとは、例えば伸縮自在の輪状のバンドで、ユーザーの体の一部に巻き付けられるよう中央に開口部がある。布には、無線トランシーバーやセンサー回路が結合されており、ユーザーの心電図や血圧、呼吸数などを計測する。この伸縮自在のバンドが、どのような形で市場に登場するかは現時点では不明だが、ヘッドバンド、帽子、下着、靴下、ズボン、ベルトなどの形状が考えられるという。

(了)


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