2019/11/26

米国eHealthジャーナル 第8号

Google、第4世代の「Pixel」スマートフォンを発表

ジャーナル第08号, 研究・調査, Google, 疾病管理・患者モニタリング

内蔵レーダー技術は非侵襲性の血糖値モニタリングにも利用可能か

Googleは10月15日、ニューヨーク州ニューヨークで開催された発表イベント「Made by Google 2019」において、「Pixel 4」および「Pixel 4 XL」をはじめとする同社のさまざまな新製品を発表した。

Pixel 4とPixel 4 XLは、Googleが2013年に販売を開始した独自のスマートフォンブランド「Pixel」の第4世代で、新たに開発した小型レーダー「Soli」を内蔵し、本体に触れずに手をかざすといった動きで操作することを可能にしている。例えば、手の動きで音楽再生の際に聞きたくない曲を飛ばしたり、アラームや着信音を消したりすることが出来る。周囲で起きる動きを高精度で検知するレーダーは、ユーザーがPixel に近づくのを検知してディスプレイを点灯、その後の赤外線カメラによるユーザーの顔認識とロック解除がスムーズに進む。

今回の「Made by Google 2019」ではヘルスケア関連の発表はなく、Googleの将来の技術計画の一環として、Soliを活用した「パーソナル・ウェルネス」が言及されるに留まったが、近い将来のうちにPixelに搭載された技術がヘルスケア領域で活躍する可能性は多いにある。Soliについては、カナダのオンタリオ州のUniversity of Waterlooの研究班が、糖尿病患者を対象とした非侵襲性の血糖値モニタリング技術として活用できる可能性を報告している。同大の研究論文、「Non-invasive monitoring of glucose level changes utilizing a mm-wave radar system」は、2018年6月付のInternational Journal of Mobile Human Computer Interactionに発表された。

Soliを共同で開発したGoogleおよびドイツのハードウェア企業Infineonは、世界の複数の研究チームにSoliの用途についてアイデアを募った。University of Waterlooの研究班はまず、このレーダー・デバイスを使って、様々なグルコース濃度に設定された液体サンプルに高周波を照射し、戻ってきた反射波を収集。そして、反射波のデータをデジタルデータに変換して、機械学習アルゴリズムによる分析を実施したところ、アルゴリズムでグルコース濃度の変化を検出することが出来た。University of WaterlooのResearch Institute for Agingでボランティアを対象に実施した試験では、従来的な血液ベースのテストと比較して、機械学習アルゴリズムの精度は85%だった。

研究班によると、次のステップは、液体サンプルではなく、ヒトの皮膚から反射波データを獲得し、グルコース濃度の数値を正確に計測できるようシステムを改善することだ。また、レーダー・デバイスのさらなる小型化による省電力化と低コスト化に向け、Infineonと協力しているという。

(了)


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