2019/10/22

米国eHealthジャーナル 第6号

Aural Analytics、シード投資ラウンドで430万ドル調達

Aural Analytics, 疾病管理・患者モニタリング, ジャーナル第06号, 精神疾患, 神経変性疾患, 音声技術, 診断・検査・予測, 患者データ・疾病リスク分析, VC投資・M&A・決算

 
 

神経内科的疾患を検知する音声解析プラットフォーム

アリゾナ州スコッツデール拠点のスタートアップ企業
Aural Analytics(以下、Aural)は9月5日、シード投資ラウンドで430万ドルを調達したことを明らかにした。

今回のラウンドはベンチャーキャピタルグループのMorningside VenturesとTamarisc Venturesが主導し、TPG傘下の Sixth Street Partners Groupの創設パートナーでありマネージング・ディレクターを務めるJamie Gates氏やシリコンバレーの著名な投資家であるMarc Abramowitz氏ほか、Arizona Tech Investors(ATI)やDesert Angelsも参加した。Auralによると、引き続き国立科学財団(NSF)からSmall Business Innovation Research (SBIR) グラントを付与されることも決定している。SBIRは、研究成果の商用化を支援するために競争的資金を供与する中小企業向けの技術革新研究プログラム。

2015年設立のAuralは、 国立衛生研究所(NIH)とNSFの支援の下25年以上にわたって蓄積された神経科学分野における研究の成果およびデータに基づき、音声解析プラットフォームを開発している非公開のデジタルヘルス企業。スマートフォンやタブレット経由で音声サンプルを収集し、クラウドサーバに自動アップロードされたデータを解析する仕組み。

 

(出典)Aural Analytics
 

至ってシンプルかつ使いやすく、疾患・場所・言語・デバイスを選ばず使用でき、既に8言語で展開されている。 

具体例としては、プロボクサーとして名高かった故ムハマド・アリ氏の生前のインタビュー音声を解析し、同氏が診断を受ける何年も前であったにもかかわらず、すでにパーキンソン病に関連する変化があらわれていたことを指摘した。
 

今回調達された資金は、臨床試験用プラットフォームの拡大、簡便な音声収集と解析を可能にする次世代型統合ポータルの世界的展開、神経学的分野における一連の疾病ケアに役立つ臨床レベルのモバイル・ウェブ製品など、同社の成長を推進するために使用される。NSFのグラントは、同社の技術や解析パッケージの向上に使用される。

 

(了)

 

本誌掲載の情報は、公開情報を基に各著者が編纂したものです。弊社は、当該情報に基づいて起こされた行動によって生じた損害・不利益等に対してはいかなる責任も負いません。また掲載記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
Copyright © 2019 LSMIP事務局 / CM Plus Singapore Pte. Ltd.

連載記事

執筆者について

関連記事

関連記事はありません