2019/09/10

米国eHealthジャーナル 第3号

FDA、SaMD事前許可プログラムの進捗を報告

デジタルセラピューティクス, Pear Therapeutics, ジャーナル第03号, 行政・規制ニュース

 
 

Pearは同プログラムに基づく承認申請の提出で1番乗りに

FDAは7月18日、医療機器に分類される医療用ソフトウェア、SaMD(software as a medical device)に対する革新的な承認のあり方を模索する「Pre-Cert Program」の進捗状況について、2019年の中間報告を発表した。

Pre-Certは、FDAが2017年7月に策定した「Digital Health Innovation Action Plan」の柱となる取り組みで、デジタルヘルス製品のための新たな承認アプローチを検証するパイロットプログラム。第一弾としてFDAは2017年9月に、プログラムに参加する9組織を選出、また2019年5月には、第二弾Pre-Cert Programに参加するSaMD開発企業の参加を呼び掛けた (試読版 第3号記事「FDA、第二弾Pre-Cert Programへの参加を呼びかけ」を参照 )。

Pre-Certの特徴は、個々の製品ではなくその製品を手掛けている企業自体を事前に認証するところにある。スマートフォンアプリなどのソフトウェアの機能は随時更新されており、その有効性や安全性を個別製品ごとに審査するのは非効率的であることから、FDAでは、それを手掛ける企業の品質管理などの体制に目を向け、従来的な規制枠組みに代替する承認プロセスの確立を目指している。具体的には、ソフトウェアの設計や検証、メンテナンスなどの手法を企業ごとに事前に審査し、その能力を評価するための卓越性評価(Excellence Appraisal)を実施する。そして、FDAが求める基準を満たす企業が手掛ける医療用ソフトウェアについては、その承認申請においてFDAに提出すべき情報を簡素化し、審査を効率化する。


今回の中間報告によると、FDAは今年5月までに、一部製品を対象として、卓越性評価と簡素化審査を遡及的に実施。結果、SaMD市販前審査において、これらの評価手法が有効であると結論した。

デジタル・セラピューティクス(DTx)開発企業のPear Therapeutics(以下、Pear)は同日、不眠症およびうつ症状の治療を適応とするDTx、「Somryst」の承認申請をFDAに提出したと発表した。Pearは2017年に、Johnson & JohnsonやRoche、Verily、Apple、Samsung、Fitbitなどとともに第一弾Pre-Cert Programの参加企業に選出されている。

PearによるとSomrystは、Pre-Certフレームワークに基づいてFDA申請を行った最初のSaMDである。Somrystは、認知行動療法(CBT)を基盤とするアプリで、内蔵アルゴリズムが、各患者に最も適した個別化治療を可能にしている。

 

(了)


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