2023/03/14

米国eHealthジャーナル第84号

VR 基盤の瞑想セッションアプリ企業TRIPPが、Equa Healthと提携

XR (VR/AR/MR)技術, TRIPP, 提携, ジャーナル第84号, ウェルネス・運動療法

マインドフルネスにおける3つの中核的スキルを体得

仮想現実(VR)技術基盤の瞑想/ウェルネスアプリを手がけるカリフォルニア州ロサンゼルス拠点のTRIPPは1月26日、Carnegie Mellon Universityのスピンアウト企業で、マインドフルネス・アプリを手掛けるEqua Healthと提携したことを明らかにした。TRIPPはまた、Equa Healthとの提携の一貫として同社へのプレシード投資を実施することも発表した。

2018年設立のスタートアップ企業であるTRIPPはVR瞑想セッションを提供するアプリを開発している。同社のVR瞑想セッションでは、ヘッドセットからサイケデリックな映像と音楽が流れて、社名が示唆する、「トリップ」するような没入体験をユーザーに提供する。瞑想セッションのコンテンツは、ユーザーのニーズや好みに合わせて徐々に調整されていく仕組みで、サブスクリプションベースのサービス利用料金は1カ月あたり7.99ドルとなっている。TRIPPでは現在、薬物使用障害、不安症、うつを適応症にVRアプリの有効性を検証する臨床試験を実施中だ。ほかにも、疼痛管理や癌患者の生活の質(QOL)向上を目的としたアプリの開発も行っている。


出典:TRIPP

Equa Healthとの提携では、エクステンデッド・リアリティ(XR)プラットフォーム上で提供する、臨床エビデンスを有するマインドフルネス・トレーニングを共同で開発し、マインドフルネスにおける3つの中核的スキル――集中力、平常心、感覚の明瞭さ―――に焦点を当てたセッションを提供する予定だ。まずは、マインドフルネスに関するEqua Healthの臨床研究をTRIPPのプラットフォームに統合し、TRIPPユーザーにイントロシリーズを提供する。その後、ユーザーからのフィードバックを集めたうえで、シリーズを拡大させる方法を検討するという。

両社は、将来的には特定の適応症への利用に向けて、大規模グラントを申請する計画であるが、目下のところはTRIPPのアプリで提供されるマインドフルネス体験に焦点を当てるという。 TRIPPの製品は現時点では医療介入を意図しないウェルネスアプリとして提供されているが、Equa Healthとの提携を通じて「より強力な」セッションの提供にシフトする。

TRIPPのユーザーには近日中にイントロシリーズが提供されることとなるが、具体的な開始日は未定である。

(了)


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